かけるんの飼育日記。

かけるんこと佐田 翔(永遠の20歳・未成年・男性)が生き物を飼育したりしなかったりする雑記帳。

ステップレミングの飼育について。

ステップレミング

この記事は、現在日本語での飼育指南がほとんど存在していないステップレミングに関して、米Wikipediaの同項目を日本語に翻訳・転載したものです。必ずしも適切な内容・適切な訳ではありません。
ステップレミング

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保全状況評価
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Least Concern (IUCN 2.3)
分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : ネズミ目 Rodentia
科 : キヌゲネズミ科 Cricetidae
亜科 : ハタネズミ亜科 Arvicolinae
族 : (仮称)ステップレミング族 Lagurini
属 : (仮称)ウサギオ族 Lagurus
種 : L. lagurus
和名
(仮称)ソウゲンタビネズミ
英名
Steppe lemming
Lagurus lagurus
(Pallas, 1773)

ステップレミング或いはソウゲンタビネズミ(草原畑鼠、学: Lagurus lagurus)は、ノルウェーレミング(学: Lemmus lemmus)によく似た外観を持つが同じ属では無い、明るい灰色でふっくらとした外観の齧歯類である。ステップレミングは植物の芽や葉を食べ、厳密には夜行性ではないが夜になるとより活性化薄暮性である。野生下ではロシアやウクライナの草原や半乾燥環境で確認される。また、この種の化石がイギリスの西の地域で発見されている。

 

 

 

 

 

 

 

形態

ステップレミングは最大12cm程度の頭胴長と後ろ足より少し短い2cm程の尾を持ち、体重はおよそ30g程度である。目と耳は小さく、毛皮は背部に黒いストライプが入っており、全体的に茶色がかった灰色の色合いをしている。

分布

これらのレミングが、モンゴル西部、中国北西部、旧ソ連カザフスタンウクライナ、南部および中央ウラル、西部および東部シベリアにある多くの草原、森林、半砂漠など。

生態

ステップレミングは長い巣穴を掘る社会性動物である。主な生活の場は地下で、日中アクティブとなる極僅かな時間のみ地上へと上がる。種子を含む植物の様々な部分を餌としている。ステップレミングの子供はおおよそ6終齢で性成熟に達し、5,6匹のグループで年間最大6回の繁殖が行われる。好条件下に置いては繁殖は1年を通して行われる。ステップレミングの個体数は、気候条件や十分な利用可能な食物の有無によって大きく変動し、個体数の大幅な増加が見られる年にステップレミングの大移動が観測されている。

ペットとしてのステップレミング

これらは特にヨーロッパにおいては最も一般的なハタネズミである。(アメリカやカナダでは未だエキゾチックな動物である。)

飼育下では大体2年程度生きることが出来るが、彼らは大抵の場合小さなケージ(彼らのコロニーには10ガロンタンクが相応しいとされる)と不適当なダイエットを強いられ不当な扱いを受けていることが多い。ステップレミングは本質的に社会性動物であり単独飼育されるべきでは無いとされるが、長い期間(2,3か月)一緒の囲いで維持されている場合、彼らはお互い(特にコロニー内に置いて自身より下位の個体)に対して敵対的になることがある。休息スペースが1つしか存在していない場合、ステップレミングの攻撃的な衝動を少しでも抑制するために2つ以上の出入り口を設置する必要がある。彼らはまた非常に強い縄張り意識を持つ傾向にあり、全体に対して雄の数を少なく維持することが望ましい。総括して、1つの飼育ケージにつき雄1:♀2-3の割合で3-8匹のステップレミングがいる状態が理想的であるとされる。

粉砕ドライフルーツなどを含む標準的な齧歯目の餌は適切ではない。自然環境下における彼らの餌には糖類があまり含まれていないため、多くの場合糖の過剰摂取により糖尿病になって死に至ってしまう。無糖、つまり糖蜜やドライフルーツを含んでおらず、その他ヒマワリの種等油糧種子も含まれていないものを使用する必要がある。実験用齧歯類フードを用いることで、安価に代用することが出来るだろう。また、ステップレミングは繁殖のために牧草やアルアルファ、その他の葉物野菜を必要としている。

屋外で集めた野草は多くの場合寄生虫や毒素を持っているため、居住地域や道路に程近かったり、犬が頻繁に訪れたり、放牧に使用されていたりといったことがない場所から集めた場合を除いてそのまま使用されるべきではない。それがどこで採取されたかに関わらず、或いは例え床材としてのみ使う場合でも、虱や壁蝨などの寄生虫を除去するために3日間以上冷凍庫に保管した上で使用する。

新鮮な水が常に利用可能な状態を保つ必要がある。;水の必要量は、消費した餌によって変動する。柳の小枝などを、継続的に成長する歯を削るために提供する必要がある。レミングは浅い皿から水を飲むことが出来るが、同時に彼らは水の入っていた皿の中に自分のベッドを作ろうとするため、ボールタイプの給水ボトルを用いるのが良い。

レミングたちは走ったり登ったりすることが大好きである。;しかし彼らの生息地は本質的に平坦でありむしろ特徴のない地形をしており、彼らは高さに対する危険性の感覚が優れていない。それ故に飼育スペースは彼らが10-15cmより高い場所から落下する危険があるものは避けるべきである。もちろん若しもの事があってはいけないため、木材チップや干し草を敷いておく必要がある。十分な大きさの車輪があるならば、回し車は彼らの暇つぶし及び健康バランスを保つのに最良の方法であり、彼らはしばしば数匹で一緒に遊ぶだろう。(しかし、彼らの―雄同士の争いは多くの場合回し車の周囲で発生するため、いくつかの、できれば各レミングごとに1個の回し車が設置してあると良い。)

喧嘩
喧嘩の理由

一般的にステップレミングは温和な性格であり、コロニー単位で生活することを好む。雄同士(同腹の兄弟であればなお好ましい)の小さなグループはとても平和に暮らすことが出来る。しかし同時に雄は縄張り意識を持つ傾向にもあり、成熟したコロニー内で最も立場の強い雄は常に他の個体を攻撃するようになり、特に巣が過密状態である場合には同腹の兄弟でさえ攻撃対象となる。全体的に大きく、床材などで満たされた(5-10cmの木材チップと、それを覆う10cm程度の牧草などです。)グループは比較的平和に暮らすことが出来るだろう。;狭く、巣材が少ない環境であるほど争いが発生する。

喧嘩(並びに意図しない事故)は、回し車の周囲で発生する可能性が高い。

外から見て特定の雄が攻撃的になっていたならば、その個体は危険であるとみなされるべきであり、去勢や性別ごとに分けるなどの対応を取るべきである。レミングを去勢することは一般の獣医師には困難な試みではあるが、不可能なわけではない。最も立場の強い雄で有っても、去勢されていれば他の雄に対してあまり攻撃的にならないとされる。

喧嘩やそれによる怪我を防ぐための予防措置

攻撃者は被攻撃者を飼育スペースの角に追いつめ、そして歯や小さな爪を用いて攻撃する。一般的には争いに伴う興奮した囀り、つまりチャタリングや走り回る行動により―多くの場合、コロニー全体が掻き乱される。(これらの行動は新たに飼育を始めた人にとっては非常に興味深く面白いものであることは確かだが、注意深く観察を行う必要がある。平和なコロニーは、攻撃的なそれによって特徴づけられるコロニーよりも静かである。)

往々にしてレミングは小さな寝処を好むが、(拳サイズの箱のような)狭いものであっても、被攻撃者がテラリウムの別の場所へと逃げることができるように2つ以上の出入り口を設けることが重要である。レミングの喧嘩は時にして一見してわかるような暴力的兆候を外部に見せることなく、而して致命的な内出血を伴うようなものになる。多くの場合では喧嘩によって後ろ足や性器、腹部を中心に裂傷を生じてしまう。

喧嘩で傷ついたレミングはできるだけ早期に発見し、別のテラリア或いはケージの中で攻撃者から隔離する。傷を嘗めたり毛繕いをする行動は、傷の治りを妨げる場合があることに注意すること。一般的に、獣医師は怪我をしたレミングを助けるための抗生物質や感染対策の薬を妥当な価格で処方してくれるだろう。怪我したレミングに薬や、薬を混ぜた食品を摂取させることは非常に困難なことではあるが、鼻先に液滴を垂らすことで比較的容易に達成できるとされる。液滴を"汚れ"と認識したレミングは、毛皮をきれいに保つために薬を嘗めとるため、それを通じて摂取させることができる。


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